「分けあう季節」
板チョコをパキっと折って、分け合った
小気味いいい音でふたつになった板チョコは
溶けた時の不快感で困惑することのない季節に
突入したことを告げている
カラッと乾いた風が首筋を撫でていく
ただ、少し前と違うのは
心地よい風のそれではなく、ただひたすらに冷たいと感じるということ
空気は潤いをなくし
落ち葉もカサカサと湿り気のない軽さで宙を舞った
木枯らしの吹く季節は
1つのものを分け合いたいと思う
片方ずつはめた手袋
空いた手はひとつのポケットにしのばせて微笑みあったかと思えば
マフラーの端と端をたがいにクルリと巻いては
窮屈で不格好な距離をおもしろがったりする
足りない部分があればあるだけ
案外『思いやり』で十分に満たされていたりするもの
そして
ほっとできる瞬間でもある
カーディガン ニットカーディガン off white stone(QUEENE AND BELLE)
ブラウス 別注「ストロベリーフィールド」(soutiencollar)
パンツ 別注「タンブリンパンツ」(soutiencollar)
モデル身長159cm
だからわたしは迷わず
手が寒そうに見えた時はひとつポケットを差し出す
マフラーが何度もすべり落ちそうな人を見かけたら
そっとピンで留めてあげたいとおもう
1つしかないものを2つに分け合うって
そこから広がる幸せが
じぶんの手を離れてどこかへ飛んでいくこと
優しさをのせて
どこまでもどこまでも広がり続けていくことを想像してみる
それは、宇宙の拡大にも似ていると
心のどこかで芽生えた ”気付き” がスパークする音を
わたしは聞いたような気がした
QUEENE AND BELLEのオンラインページはこちらから
<お知らせ>
= = = = = = = = = = = = = = =
「特集」
= = = = = = = = = = = = = = =
「連載」
コーディネート連載中
「2023 coordinate library」
= = = = = = = = = = = = = = =
= = = = = = = = = = = = = = =
= = = = = = = = = = = = = = =