「視線の先にみえるもの」
信号機が、青から黄色にかわる
歩行者のわたしはそれを
ななめ上の、空を眺める角度で見ている
誰とも視線が交わらない
ちょうどいい角度だ
うつむき加減で歩くとき
ちょっとだけ視線を上げることができる
スキマの瞬間
信号を待つ間は、少しだけ落ち着かなくなる
手持無沙汰になった両手は
フードを整えたり
カフスを触ってみたり
せわしない動きで
時間が経つのをただ待つだけだ
「ル アーブルポンチョ」(soutiencollar)
そういう意味では
コートのあちこちに
手が触れる場所があるのは安心する
目線は遠くを捉えながら
手元に意識を集中させる
視線の先に何かがあるわけではない
のちに、あの時何を見ていたのかと思いだそうとしても
きっと思い浮かぶものはないだろう
だけれど
着実に
少しずつ
ポンチョの特徴は、この両手に形状記憶されていく
曇天のもと
小雨でも降ってきそうな気配がしてきた
耳元でフードの衣擦れの小気味いい音を聞きながら
それに合わせて信号機の色が変わるのをカウントした
ポンチョ 「ル アーブルポンチョ」(soutiencollar)※ブラックはこちらから
ブラウス 「アルル」(soutiencollar)
パンツ タンブリンパンツ KAHKI(soutiencollar)※ブラックはこちらから
その時、左手は慣れた手つきで
カフスを織り上げている
相変わらず視線は斜め上だ
さっきまでと打って変わって
急に晴れ間が差し込みはじめた
雨の心配はなくなり
光が周りを照らし
視線を上手く遮ってくれている
その瞬間
わたしは弾かれたように歩行者のひとりに戻り
上を向いて再び歩きだした
ステンカラー商品は全工程国内生産です。
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