「きもちがジャンプする」(9/19)
世の中には
知らないこと、見たことのないものはまだまだたくさんあって
それらをすべてを把握することはほぼ不可能に近いと
理解できる年齢にもなり
何かにこころが燃やされるという経験も少なくなってきてしまった
ファッションが好きで
長くお洋服に携わってはいるものの
おしゃれについて共感しあえる環境というものが
まわりに少なかったり
わたし自身、だれかとファッションについて語り合ったのは
いつの事だろうと改めて振り返ると、少し寂しい気持ちになる
知識や、着こなし方というのは
これまでの人生の中で
得とくしたものが反映されている部分も
多少なりともあるように思っていて
それが『自分らしさ』という言葉のひとつに
繋がっていくのかなと感じ始めたころ
1着のジャケットの存在が
ふたたび胸を熱くさせる特別な出会いとなった
そのジャケットの名は「オールディーズバットグッディーズジャケット」
何故価値があるのか
引き付けられる魅力とは何かと
久しく、じぶん自身に問うきっかけになったジャケットだ
何に価値を見いだすかには、個人差があるけれど
私にとって「オールディーズバットグッディーズジャケット」は
一見、芸術品にでも触れているような感覚
だけど着てみてもいいという気軽さも兼ね備えていて
貴重だけれど
日常に溶け込んでいく身近なものといった存在にも映った
ジャケット 「オールディーズバットグッディーズジャケット」(soutiencollar)
スカート 「ギャルソンチノ巻きスカート」BEIGE(soutiencollar)
バッグ CAPPELLIERA MAN.PELLICCOA M MAT.CALF CUOIO INV BRANDY(HENRY BEGUELIN)
モデル身長159cm
ジャケットはいくつになっても
かたくるしいイメージをぬぐえずにいたわたしは
ふかふかとしたツィード生地にひとたび包まれると
縁側で太陽の陽を背に浴びているような温もりを感じることが出来たし
少し無造作に扱うことで
その『余所行き』という枠組みから一歩はみ出して
”じぶんなりに着てみる” というチャレンジに
背中を押してもらえたような気がしていた
全ての工程を機械によって縫製するものとは
一味違うものだからこそのふり幅のようでもあり
許容のようにも思えて
なんだか嬉しくなったのだ・・・
好きなように着てください
衿や袖も好きなように立てたり折ったり
どうぞ楽しんで下さい
ハンガーにかかっているジャケットが
わたしにそう語りかけてくれている
不思議と着てみると
やはりそのとおりで
シャツの袖口を見せようかしら・・・と思えば自然と袖を折り返していたり
今日はちょっぴり寒いかもと思えば、肩をすくめながらも衿を立てていたり
気が付けば、ジャケットと一体となって
間にある ” 埋めるべき溝 ” を楽しんでいるみたいだった
そう
まるで玄関を出るまでの助走ように
一緒に気持ちを盛り上げていく作業
今日も楽しく過ごしたいね
丁寧に袖を折りながら
きもちを最上位までもっていくために
そこでいったんしゃがみ込む
そうすると
玄関を出た瞬間
バネのようにじゃんぷして
一気に気持ちが解放される
沸き上がる気持ちが追い付かないほど
想いは秋の真っ青な上空まで
みるみる舞いあがっていくようだった
ステンカラー商品は全工程国内生産です。
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「そして秋の収穫とシャツ」
〜Tシャツでつい夏の終わりを迎えてる〜
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