再会を彩るジェラートジャケット
お天気のいい日だった
離れた場所に住むともだちに会いにいこうと思い立ち
バスに飛び乗った
移動時間は要したけれど
ともだちと過ごした幼いころの時間に比べれば一瞬だ
コロナ以降は
過ぎ去るだけの時の経過も
メールだけのやり取りも
どこかそんなものだと割り切っていた
会えないことは仕方がないことだと
自分を納得させていた
この3年をすごすあいだ
様々な経験が
その考えをどこかにやってしまっていたようだ
会いたい人がいることは嬉しいことだった
当日の服は何を着よう
どんな話をしようか
この世の中になって気づけたこと
些細なことのひとつひとつが、
とても大きな意味を持っていることに
月日の流れは、わたしにそれを伝え
行動させた
しっくりバッグで十分の距離
胸を弾ませながらバスに揺られる
揺れに身を任せながら記憶をさかのぼる
記憶の中ではすっかり
友達の顔の輪郭がぼやけはじめていた
コロナのずっと前の時の経過とはちがう月日を過ごし
改めて時間の速さを感じた
バスを降りると
汗ばんだ背中の隙間を風がとおりぬけ
とても涼しくて気持ちよかった
少し先に懐かしい顔をみつけた
停留所のそばにあったジェラートのお店が目に入り
思わず叫ぶ
「ジェラートたべよう!」
シヤリシャリと
氷の粒が入ったジェラートは
ジャケットの手触りに似ていて
より一層涼しいげだ
腰掛けたベンチで
背中にあたたかな日差しを受けながら
体温が下がっていくのを感じる
今日みたいな日にジェラートジャケットはピッタリだった
こどもの頃と、大人になってからのわたし
このジャケットは、少しだけ彼女の知らないわたしにしてくれる
ほんの少しのいたずら心で選んだ1枚
会うまでにたくさん時間はかかったけれど
2人の距離は変わっていなくて
懐かしくて、ほっとした
会えなかった時間は『空白』とはまたちがうけれど
その時間を感じさせないほどに
別々だった2人の時間軸が自然に重なり合う
あの日の空の色
あの時の風の匂い
2人で過ごす光に包まれた光景は
きっと一生わすれない気がした
ジェラートジャケットを見るたび
その時へ時間を巻き戻してくれるはずだから
別注「ジェラートジャケット」(soutiencollar)
「しっくりバッグ ブラック(リニューアル仕様)」(soutiencollar)
ステンカラー商品は全工程国内生産です。
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