ぽんず (つづき②これでおしまい)
大分から段ボールが届いた
その小さな四角の箱は、開けた瞬間
大分の彼女の実家の茶の間だかなんだかの空気が
切り取られたように時空を超えてやってくるようで
毎度わたしはジーンとしていた
いつものお母さんからの手紙と
何度断っても同梱されてくる一万円札
その封筒を取り上げて、出てきたのは
ポン酢
彼女はそれを見て失笑しながら
お母さんに電話していた
「 わたしが頼んだのはメイク落としのPond’sだけん 」
よしむら