暮らしを想像する
夫は家具職人で
夫の家具を先日、百貨店で販売するため
わたしは久しぶりに店頭に立った
会期中３度、来店して下さった70代の女性が
夫のチェストボードを購入してくれた
その女性は来店の度に寸法を記したメモを握り
少しずつお部屋の雰囲気や、家に既にある家具について
話してくださった
このチェストはリビングに、これくらいの小さな窓があるから
その窓辺に置いて
このチェストの上に、額に入れたアンティークの刺繍を飾ろうと思う
そしたらちょうどお日様の光が入って…
一緒に話しているうちに
夫の家具ひとつから
暖かな日差しに輝くリビングと、ご夫婦の静かでささやかな日々が
わたしにも見えた
未来の心配ばかりしている
わたしよりも
こうやって暮らしを想像するのだ
それこそ人生の楽しみ
よしむら
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