夜更けの妖怪
娘を寝かしつけたまま
ベッドで寝ていると
玄関の鍵を開ける音がした
確かに
夫の気配のようであり、こんな夜更けに玄関の鍵を開ける人なんて
夫くらいしかこの家にはいないはずなのに、
なにか違和感を感じて、耳を澄ませた
「ぺたん、ぺちゃん、ぺたん、ぺちゃん」
その足音は明らかに妖怪だった
娘を守らないといけないわたしは
ハッキリと叫んだ
「誰だ!!??」
足音からして何か ぬめっ とした感じの妖怪を想像した
ところが暗闇に
母と娘の前に現れたのは
脚にギブスをはめ
松葉杖をつく
中年の夫だった
ああ
ギブス
よしむら
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