クローゼットの番人
今日はアレを着よう
と夢うつつに決めていたワンピースがクローゼットに見当たらない
これだけ探して無いのだから無い
姉が勝手に着て行ったのだ
学生の頃、たびたびこんなバトルが３つ年上の姉とあった
せっかく姉妹で生まれたのだから洋服の貸し借りはグッドアイデア
なのだが
大学生の姉の服はいつもタイトで、ケバく
高校生のわたしの趣味ではなかった
そのため、姉の方が勝手にわたしのクローゼットから拝借していくばかりで
その上、必ずどこかしか汚して返却されてくるので
わたしの怒りをかっていた
それでも姉はスカートについたシミを落としてくれないし
懲りずに勝手にわたしの服をクローゼットから
借りていく
貸したくないわたしがケチなのか
汚す姉が問題なのか
わたしの中で答えは明らかだったけれど
姉はわたしに「ケチ」と言っていた
よしむら
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