秘密のカギ
こどもの頃住んでいた社宅のマンションには
独身社員専用の部屋があり、
入居者が居ない時期は
その部屋の鍵と一緒に、お風呂と部屋の掃除当番が
順番にまわってきていた
わたしはその当番の日をちょっとだけ楽しみにしていた
父が普段は滅多にしない悪ふざけな顔で
「あの部屋のお風呂に入りに行こう」と誘うからだ
自分の家のお風呂とはちがう
最上階の部屋のお風呂
ちょっとだけ悪いことをしているような
秘密の 楽しみだった
よしむら
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